
髪質改善と話題の酸熱トリートメント。
試してみたいけど、一体どんなものなのかわからない
という人もいるのではないでしょうか?
酸熱トリートメントとは、毛髪に酸トリートメントをつけたあと、高温のアイロンの熱を加える施術のことです。
酸トリートメントに配合されているグリオキシル酸の作用と高温のアイロンの熱により、クセを緩和しハリやコシを与えることができます。
この記事では、酸熱トリートメントについて、わかりやすく説明します。
▶︎ 酸熱トリートメントとは?
▶︎ 酸熱トリートメントと施術方法
▶︎ 酸熱トリートメントの縮毛矯正の違い
▶︎ 酸熱トリートメントのシステムトリートメントの違い
▶︎ 酸熱トリートメントのメリット・デメリット
▶︎ 酸熱トリートメントのブランド
▶︎ まとめ
酸熱トリートメントとは?
酸熱トリートメント
酸熱トリートメントとは、毛髪に酸トリートメントをつけたあと、高温のアイロンの熱を加える施術のことです。
酸トリートメントに配合されているグリオキシル酸の作用と高温のアイロンの熱により、クセを緩和しハリやコシを与えることができます。
グリオキシル酸をつけた毛髪に、高温のアイロンの熱を加え余分な水分を飛ばすと、イミン結合という新しい結合ができ、毛髪内部の水素結合と結合します。
このイミン結合により、毛髪のうねりやゆがみが支えられるため、シスチン結合を組み替えることなく、クセを緩和しハリやコシを与えることができます。
そのため、酸熱トリートメントは髪質改善と言われています。
ただし、イミン結合の結びつきはそこまで強力ではないため、クセをしっかり伸ばすことはできませんし、長持ちもしません。
クセをある程度伸ばしたり持続させるには、回数を重ねる必要があります。
また、トリートメントとは言っても酸熱トリートメントは高温のアイロンの熱を加えるためダメージがあります。
ダメージケアをするというより、ダメージレスにクセを緩和しハリやコシを与える施術です。
アイロンの熱には注意
毛髪は、70℃、80℃の熱が加わると、タンパク質が変化を起こしはじめダメージになり、130℃になると変色します。150℃になると毛髪を形成するアミノ酸の結合の減少がみられ、180℃になるとタンパク質の高次構造が破壊されます。
酸熱トリートメントの施術方法

1、シャンプー
汚れを落としタオルドライし、ウエット状態で始めます。
2、前処理
中間から毛先に塗布し、ダメージ部分には多めに塗布します。
3、酸トリートメント
根元から毛先まで毛髪全体に塗布します。
4、放置
20〜30分自然放置または加温放置します。
5、流し
滑りがなくなるまでしっかり流します。
6、乾かす
ドライヤーで完全ドライの状態まで乾かします。
7、熱処理
150度〜200度のアイロンで熱処理します。
酸熱トリートメントと縮毛矯正の違い
縮毛矯正
縮毛矯正は、アルカリの作用で還元剤を浸透させシスチン結合を切断します。
そのあとに高温のアイロンで熱することにより、シスチン結合が再結合し、さらに水素結合が効果的に組み替えらるためクセがしっかり伸びます。
クセをしっかり伸ばし再現性も持続性も高い技術ですが、アルカリと薬剤と高温のアイロンの熱によるダメージはかなり大きいです。
<酸熱トリートメントと縮毛矯正の比較>
酸熱トリートメント | 縮毛矯正 | |
クセの伸び | △ | ◎ |
ツヤ | △ | ◎ |
再現性 | △ | ◎ |
持続性 | △ | ◎ |
安全性 | △ | × |
酸熱トリートメントとシステムトリートメントの違い
システムトリートメント
システムトリートメントは、内部補修のトリートメントをつけたあと、外部補修のトリートメントをつけます。
毛髪内部に栄養分を与えることで、保湿されしっとりした落ち着いた仕上がりになり、毛髪外部をコーティングすることで、パサつきを抑え質感を整えます。
髪の毛のクセを伸ばすことはできませんが、ボリュームを抑えたりまとまりやすくすることができます。
<酸熱トリートメントと縮毛矯正の比較>
酸熱トリートメント | システムトリートメント | |
クセの伸び | △ | × |
ツヤ | △ | △ |
再現性 | △ | △ |
持続性 | △ | △ |
安全性 | △ | ◎ |
酸熱トリートメントのメリット・デメリット

メリット
・クセの緩和
イミン結合の作用によりクセを緩和します。
・ハリやコシが出る
イミン結合の作用によりハリやコシが出ます。
・アルカリを使わない
アルカリを使わないので毛髪の負担を軽減できます。
デメリット
・高温のアイロンによるダメージ
たんぱく質の構造を破壊しダメージになります。
・長持ちしない
イミン結合は結びつきが弱いため持ちが短いです。
・グリオキシル酸の残臭
かなり独特な臭いが残ります。
・パーマとの相性が悪い
酸熱毛になった毛髪にはパーマはかかりません。
・施術時間がかかる
乾かしてヘアアイロンをする工程が入るので時間がかかります。
・コスパが悪い
価格は安くはありません。
酸熱トリートメントのブランド

アシッドシェイパー(ビーファースト)
グリオキシル酸がイオン結合から生まれるクセを緩和します。ケラチンやヘマチン、シルクの配合と酸の力でハリ、コシやツヤを出すことが可能です。保護・保守効果が強く、疎水性アミノ酸を多く含有している水鳥ケラチンを配合。
サブリミック(資生堂)
グリオキシル酸の作用にによる毛髪形状ケアテクノロジーが、ダメージによる形状の乱れを補正し、なめらかでハリ・コシのある髪へと導きます。熱を加えることにより疎水シールドが形成され、外的ストレスから毛髪を保護します。
ケラテックスメント(ハホニコ)
ケラチンタンパクと架橋をつなぎ新たな結合をつくる、グリオキシル酸を使用した酸熱トリートメント。高純度・高浸透・高保湿を求め毛髪内部にしっかりと浸透、定着します。
PLEXMENT(パイモア)
グリオキシル酸が毛髪ケラチンのアミノ基と反応し、ケラチンタンパクの4つの結合で、毛髪のうねりやクセ、ゆがみを補修します。マレイン酸を配合することで、ハリ・コシを与え健やかな髪へ導きます。
まとめ

酸熱トリートメントは、クセを緩和しハリやコシを与える施術です。
ただし、高温のアイロンの熱を加えるためダメージがあります。
また、クセがしっかり伸びるわけでもなく、ダメージケアに優れているわけでもないので、アプローチできる領域は広くありません。
クセをしっかり伸ばしたいのであれば縮毛矯正のほうがいいですし、ダメージケアをしたいのであればシステムトリートメントのほうが効果的です。
とはいえ、髪質改善という分野において、新しい技術が出てくることはすばらしいことなので、今後の進化に注目です。