
ブリーチ剤には5分〜30分間放置と表記されていることが多いですが、放置時間や回数によって髪色がどう変化するのか、知っていますか?
ブリーチをして希望の明るさにするには、どれくらい時間をおけばいいのか、何回すればいいのか、わからない人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、実際にブリーチして検証してみました。
完全ドライの状態で、ブリーチ剤(1):OX6%(2)を塗布し、加温なしの自然放置です。
ブリーチして放置時間10分、20分、30分、40分、50分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、10時間と、ブリーチ30分間放置を1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回を比較してみました。
その結果、ブリーチして4時間放置まで髪色の変化があり、16レベルまで明るくなりましたが、4時間以降は放置しても髪色の変化はほぼありませんでした。
回数は6回目まで髪色の変化があり18レベルまで明るくなりましたが、6回以上ブリーチしても髪色の変化はありませんでした。
今回は、ブリーチの放置時間と回数による髪色の変化について、実際にブリーチした毛束の写真を使って、わかりやすく説明します。
ブリーチの放置時間と回数による髪色の変化
ブリーチの放置時間による髪色の変化

ブリーチ剤を塗布して、はじめの10分で5レベルから9レベルと髪色の変化が一番大きかったです。
10分から20分で9レベルから11レベル、20分から30分で11レベルから13レベルと髪色は変化は少し小さくなりました。
30分から50分で13レベルから14レベル、50分から2時間で14レベルから15レベルと、放置時間の経過とともに髪色の変化はさらに小さくなりました。
2時間から4時間で15レベルから16レベルと変化しましたが、4時間以降は10時間以上放置しても16レベルから髪色の変化はありませんでした。
4時間以上放置するとブリーチ作用もほぼなくなり、塗布したブリーチ剤が乾いてしまいました。
10分放置
茶髪です。9レベル。
20分放置
明るい茶髪です。11レベル。
30分放置
かなり明るい茶髪です。13レベル。
40分放置
かなり明るい茶髪です。13レベル。
50分放置
薄い茶髪です。14レベル。
1時間放置
薄い茶髪です。14レベル。
2時間放置
茶色がかった金髪です。15レベル。
3時間放置
茶色がかった金髪です。15レベル。
4時間放置
金髪です。16レベル。
5時間放置
金髪です。16レベル。
10時間放置
金髪です。16レベル。
ブリーチの回数による髪色の変化

ブリーチ剤を塗布して、30分放置の1回目が5レベルから13レベルと髪色が変化しました。
2回目が13レベルから14レベル、3回目が14レベルから15レベルと、1レベルづつ変化していき6回目には18レベルになりました。
6回目以降はブリーチしても18レベルから髪色は変化しませんでした。
5回目、6回目になるとかなりダメージがひどくなり、8回目には傷みすぎて櫛でとかせないくらいダメージになりました。
また、何度ブリーチしても金色がなくなって真っ白になることはありませんでした。
1回
かなり明るい茶髪です。13レベル。
2回
薄い茶髪です。14レベル。
3回
茶色がかった金髪です。15レベル。
4回
金髪です。16レベル。
5回
薄い金髪です。17レベルです。
6回
白っぽい金髪です。18レベル。
7回
白っぽい金髪です。18レベル。
8回
白っぽい金髪です。18レベル。
ブリーチの放置時間と回数による髪色の変化の比較
【ブリーチの放置時間による髪色の変化】

【ブリーチの回数による髪色の変化】(※放置時間は毎回30分)
放置時間と回数による髪色の変化を比較すると、14レベルまではどちらもあまり変わりませんが、15レベル以上の明るさを求めるとなると違いがあるあります。
2時間放置よりもブリーチ3回の方が早く15レベルまで明るくなり、4時間放置よりも4回ブリーチの方が早く16レベルの明るさになります。
髪のダメージを比較すると、2時間放置とブリーチ3回は、同じ15レベルの明るさになりますが、ダメージはブリーチ3回のほうが大きいです。
4時間放置と4回ブリーチは、同じ16レベルの明るさになりますが、ダメージはブリーチ4回のほうがかなり大きいです。
このことからブリーチは、はじめの30分に強い脱色力を発揮し、髪に大きなダメージを与えることがわかります。
放置時間を長くして髪色を明るくするメリットは、ダメージを最小限に抑えられ、ブリーチ剤を使う量が1回分なのでコスパが良いことで、デメリットは時間がかかることです。
回数を重ねて髪色を明るくするメリットは、かかる時間を少なくできることで、デメリットはダメージが大きく、ブリーチ剤の使う量が多いのでコスパが悪いことです。
急いで髪を明るくしたい場合は、ブリーチの回数を重ねる方が時間はかかりませんが、最小限のダメージで明るくしたい場合は、回数を抑えて長時間放置する方が傷みは少ないです。
ブリーチの仕組み
<ヘアカラーしてない毛髪>
<ヘアカラーしてる毛髪>
ブリーチは、メラニン色素を脱色すると同時にヘアカラーで染めた染料を脱染します。
ブリーチ剤は1剤と2剤に分かれていて、1剤の主成分は過硫酸塩とアルカリ剤で、2剤の主成分は過酸化水素です。
1剤と2剤を混ぜ合わせることにより、過酸化水素の酸化作用が大きくなり、強い脱色効果を発揮します。
ブリーチのおもな成分
過硫酸塩
酸化助剤。過酸化水素の酸化作用を助ける働きがあります。
ケイ酸塩
アルカリ剤。過酸化水素の分解を促進します。
過酸化水素水
酸化剤。強い酸化力をもち、酸化染料の重合や、メラニン色素の分解を行います。
まとめ

ブリーチ剤を塗布して放置時間を検証した結果、塗布してから30分までは髪色の変化が早く、30分以降は徐々に髪色の変化がゆるやかになり、4時間以降は塗布したブリーチ剤が乾いてしまい髪色が変化しませんでした。
ブリーチ30分放置の回数を重ねると、6回目まで髪色の変化があり18レベルまで明るくなりましたが、6回以上ブリーチしても髪色の変化はありませんでした。
5回目、6回目になるとかなりダメージがひどくなり、8回目には傷みすぎて櫛でとかせないくらいなダメージになりました。
ただし人の髪の場合、髪質や髪のコンディションが人それぞれ異なります。
同じ条件でブリーチをしても、明るくなりやすい人、明るくなりにくい人と個人差があります。
人の髪をブリーチする際には、今回の検証を参考に、髪質や髪のコンディションを考慮して、希望の明るさを実現してみてください。