髪の染め方の種類

髪の染め方にはどんな種類があって何が違うのか、詳しく知らない人もいるのではないでしょうか?

髪の染め方の種類には、ヘアカラー、ヘアマニキュア、ブリーチ、塩基性染料、草木染めなどがあり、メリット、デメリットもそれぞれ異なります。

明るい色にしたいのか、白髪を染めたいのか、ビビットな色を表現したいのか、髪を染める目的はさまざまです。

この記事では、髪の染め方の種類について、わかりやすく説明します。

 

 



 


髪の染め方の種類


 

 

ヘアカラー

ヘアカラーは、脱色すると同時に染料を発色するため、明るくしながら染色することができます。

ヘアカラー剤は1剤と2剤に分かれていて、1剤の主成分は染料とアルカリ剤で、2剤の主成分は過酸化水素です。

1剤と2剤を混ぜることにより化学反応を起こし、染色することができます。

1剤主成分のアルカリ剤の力によって毛髪のキューティクルが開き毛髪内部に染料が浸透します。

毛髪内部に浸透した染料は、メラニン色素を脱色すると同時に染料が発色します。

発色された染料は、発色前より分子が大きくなり、髪の毛髪内部から出にくくなるため色持ちが良いです。

ただし、1剤と2剤を混ぜたことにより発生する活性酸素やアルカリの影響でダメージも伴います。

ヘアカラーは、アルカリカラーまたは酸化染毛剤とも呼ばれます。
 

 
ヘアカラーのおもな成分

パラフェニレンジアミン
染料中間体。染料中間体同士またはカップラーと酸化重合し発色します。

レゾルシン
カップラー。単独では発色せず、染料中間体と酸化重合し発色します。

アンモニア水
アルカリ剤。揮発性で髪に残りにくく、独特な刺激臭があります。

界面活性剤
基剤。水と油を混合し、クリームなど剤形をつくります。毛髪への浸透促進作用もあります。

過酸化水素水
酸化剤。強い酸化力をもち、酸化染料の重合や、メラニン色素の分解を行います。

リン酸
酸。過酸化水素を安定させるため、薬剤のPHを酸性にします。

 

 

 

ヘアマニキュア

ヘアマニキュアは、脱色する力がないので、黒髪に使用しても変化はなく、脱色された髪か白髪の染色に効果を発揮します。

ヘアマニュキアは、マイナスの電荷を持つため、毛髪のプラス部分とイオン結合し着色します。

分子径が大きいため、毛髪内部には浸透せず、毛髪の表面に着色します。

毛髪の表面に着色するため色持ちはヘアカラーより短いです。

染料が化学反応をせずに着色できるため、ヘアカラーではできないビビットな色味が表現できます。

ヘアマニュキアは、酸性カラーまたは酸性染毛料とも呼ばれます。

 

 
ヘアマニキュアのおもな成分

黒401
酸性染料。マイナスの電荷をもち、毛髪のプラス部分と結合します。

ベンジルカルコール
浸透剤。染料を毛髪に浸透させます。

グリコール酸
酸。PHを酸性にします。

セルロース
増粘剤。粘性を高めます。

界面活性剤
基剤。水と油を混合し、クリームなど剤形をつくります。毛髪への浸透促進作用もあります。

 

 

 

ブリーチ

<ヘアカラーしてない毛髪>

<ヘアカラーしてる毛髪>

ブリーチは、メラニン色素を脱色すると同時にヘアカラーで染めた染料を脱染します。

ブリーチ剤は1剤と2剤に分かれていて、1剤の主成分は過硫酸塩とアルカリ剤で、2剤の主成分は過酸化水素です。

1剤と2剤を混ぜ合わせることにより、過酸化水素の酸化作用が大きくなり、強い脱色効果を発揮します。

過硫酸塩は、染めた染料を脱染する脱染剤であり、過酸化水素の酸化作用を助ける酸化助剤でもあります。

脱色と脱染の強い力でダメージになりやすいので、使い方には十分注意が必要です。

ブリーチは、脱色脱染剤とも呼ばれます。

 

 
ブリーチのおもな成分

過硫酸塩
酸化助剤。過酸化水素の酸化作用を助ける働きがあります。

ケイ酸塩
アルカリ剤。過酸化水素の分解を促進します。

カーボマー
増粘剤。粘度を適正に保ちます。

シリカ
賦形剤。粉末の増量剤で、体積を増やす役割を果たします。

過酸化水素水
酸化剤。強い酸化力をもち、酸化染料の重合や、メラニン色素の分解を行います。

リン酸
酸。過酸化水素を安定させるため、薬剤のPHを酸性にします。

 

 

 

新規染毛料

新規染毛料は、2001年の化粧品規制緩和により、化粧品への配合が可能となった塩基性染料やHC染料を配合した染毛料のことをいいます。

トリートメントに含まれるカチオン界面活性剤との相性が良いため、カラートリートメントなどにも使用されています。

 
塩基性染料

塩基性染料は、脱色する力がないので、黒髪に使用しても変化はなく、脱色された髪の染色に効果を発揮します。

ヘアマニュキアとは違い白髪は染まりません。

塩基性染料は、プラスの電荷を持つため、毛髪のマイナス部分とイオン結合し着色します。

毛髪内部には浸透せず、毛髪の表面のみ染着します。

ヘアマニュキアのようにビビットな色味が表現できます。

 

HC染料

HC染料は、塩基性染料の助剤として使用されることが多く、色の幅や着色の力などを補う働きをしています。

プラスやマイナスの電荷をもっていないためイオン結合はできませんが、分子径が小さいため毛髪のキューティクル間に浸透して着色することができます。

 

 
新規染毛料のおもな成分

塩基性青99
塩基性染料。プラスの電荷をもち、毛髪のマイナス部分とイオン結合します。

HC青2
HC染料。分子径が小さく毛髪内部まで浸透します。

多価アルコール
浸透剤。染料を毛髪に浸透させます。

界面活性剤
基剤。水と油を混合し、クリームなど剤形をつくります。毛髪への浸透促進作用もあります。

リン酸
酸。過酸化水素を安定させるため、薬剤のPHを酸性にします。

 

 

 

草木染め(ヘナ)

ヘナは、脱色する力がないので、黒髪に使用しても変化はなく、白髪の染色に効果を発揮します。

ヘナは、ミソハギ科の植物を乾燥させて粉末にした天然の染料です。

オレンジ色の色素をもち、毛髪のタンパク質に付着し染色します。

毛髪のタンパク質に付着するときに、毛髪表面にからみつき皮膜をつくるトリートメント効果もあります。

ヘナは、ヘナ(1):ぬるま湯(3〜4)でよく混ぜて、塗布しやすい粘度にして使用します。

 

 
ヘナのおもな成分

ローソン
オレンジ色の色素を含み、タンパク質と結合する性質を持っています。

タンニン
毛髪の空洞化した部分入り込み毛髪を強化します。

 

 

その他の染毛剤
 

毛髪着色料

顔料や油溶性染料を毛髪表面に付着させ、一時的に着色するもので、シャンプーで洗い流せます。商品としては、カラースプレーやマスカラカラーなどです。毛髪着色料は、一時的染毛料またはテンポラリーカラーとも呼ばれます。

 

非酸化染毛剤

鉄イオンとタンニン等のポリフェノールによって黒色の色素をつくり、毛髪を染色します。脱色する力はないため、明るくすることはできません。非酸化染毛剤は、オハグロ式と呼ばれますが、最近はほとんど見かけません。

 


 

 


髪染めの歴史


 

紀元前

エジプトやアッシリアでは、ヘナやインディゴなどの草花の色素で染毛していたそうです。

 

1883年

フランスで酸化染料と過酸化水素との組み合わせが特許として取得され、これが現在のヘアカラーの原型となっています。

 

1907年

日本でもヘアカラーが導入されるようになり、パラフェニレンジアミンの水溶液を用いて染めていました。

 

1916年

国内で酸化染料が工業化され、過酸化水素を用いたヘアカラーが登場しました。

 

1965年

おしゃれ染めが流行しだし、ブリーチやヘアマニキュアの開発も始まりました。

 

1970年

自分で染めるホームカラーも出回るようになりました。

 

2001年

化粧品規制緩和により、塩基性染料やHC染料を配合した染毛料が作られるようになりました。

 


 

 


まとめ


 

髪の染め方の種類には、ヘアカラー、ヘアマニキュア、ブリーチ、塩基性染料、草木染めなどがあります。

それぞれのメリット、デメリットを理解して、自分の目的に合った染め方を選ぶことが大切です。

 


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